セルロースファイバー断熱材の調湿・結露防止
アメリカやイギリスなどの諸外国に比べ、日本の木造建築の寿命の短さには顕著なものがあります。
この原因の主たるものが”結露”です。
そもそも結露のもとは、空気中の水蒸気。水蒸気は気温が下がることによって飽和状態になり、結露となるのです。つまり水蒸気のあるところならどこでも結露の発生する可能性があるのです。
それでは、結露を防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
室内の水蒸気を抵抗なく、躯体内を通過させれば結露は発生しないのです。言い換えれば「透湿させれば、結露はしない」のです。
InCide PCは、リサイクル新聞紙で作られているため、無数の多孔性のセルロースファイバーが含まれています。
この多孔性により、セルロースファイバーは、周辺の湿度が高くなれば湿気を吸収し、周辺の湿度が下がれば湿気を放出します。
セルロースファイバーは空気の50倍近い密度を持ち、飽和状態で重量比20%以上の水蒸気を含むことができます。これは空気に比べて重量比で10~20倍、体積比で500~1000倍に相当します。
室内側の下地材の透湿抵抗をグラスウールを使う場合に比べて小さくすることで、室内の過乾燥と多湿を平準化できます。
InCide PCは、独自の実験の結果、重量比で15%まで吸湿しても、その性能が低下することはないとの結果を得ています。
具体的に見てみましょう。
例えば:35坪程度の木造住宅であれば:
セルロースファイバー断熱材使用量:約1,050kg
水蒸気量:1,050kg x 15% = 158kg
158kgの水蒸気を、ほぼ一瞬で吸放出して、湿度を一定に保ちます。
一般住宅で1日に放出される水蒸気量は、7~10kgと言われています。
セルロースファイバーを使用した場合、壁体内で結露水が発生することは、まず考えられません。
2013年7月29日 | キーワード:調湿